オオカミウオのことなど
・オオカミウオは、上半身が狼で下半身が魚
人魚は上が人で下が魚、魚人はその逆なので、ルールには則っている。この法則でいけば、山田さんは上体が山で下部が田んぼだ。村松さんは体を4分割し、右手パーツが木、心臓側が寸、右脚あたりが木、左脚は公ということになる。寸とはなんだろうか? また東さんなんかは分割できないので、収納に難儀するであろう。
一応インターネットに訊いたところ、オオカミウオは顔が怖いだけの魚であった。
・食器を洗う音がうるさいので布団を移動する
隣で水音がしても、さほど気にせずに眠れる。それより我が家で一番やかましいのは精米機である。こいつは一人爆音上映会といった感じだが、話し相手もなしに留守番していることを考慮すれば、我慢してやろうというものだ。ロボットベイビーだと思えばよかろう。
・「そうはいってもさあ、リン酸の方が強いと思うのは過剰反応だよ」
と言われた。これは比較対象によると思う。確認しそびれたが、まさか
私 VS リン酸
だろうか。それなら圧倒的に私が負ける。しかし肉体とは言われていないので、もしかすると精神バトルかもしれない。この場合
私の魂 VS リン酸
ということになる。これならまあまあ拮抗しそうではないか、魂の強度には自信があるのだ。
魂といえば、人体に含まれるリンが青く燃えるので、それが人魂だというのが、少し前まで信じていた説であった。
真偽は知らないが、数年前に読んだ記事に「死にゆく線虫に紫外線を当てると青く光った」というのがあった。細胞死が進行するにつれ光は増し、死の間際に最大強度になり、その後消えたという。「死の蛍光」というらしい。
千葉の海辺では、海ホタルを見ることができる。青く輝く浜をうっかり踏み潰すと、足跡の形に強烈な光を放つ。祖父はそれを見て「最期の断末魔だ」と言った。光は信号なのだし、この強い明滅はまさに断末魔なのだった。