備忘録

夢とか白昼夢とかのメモを薄くしたり濃くしたりしたやつだよ。カルピスと一緒だね。

蟻の巣のことなど

・「お墓が知っている」と言いながら蟻の巣を見ている少年

たぶん幼稚園児くらいだと思う。蟻の巣を見ている理由も聞いたと思うが忘れた。

小学生の頃、福音館の『自由研究図鑑』を買ってもらってから、夏休みだけではなくこの本をよく使った。『野鳥図鑑』と一緒に探検に持ち歩いていたので、もう随分くたびれているが、どちらも破れた表紙をテープで貼って、今でも持っている。テープも古く黄ばんでパリパリだ。

この中で特に心を惹かれたものの一つが、蟻の巣から蟻を吸い上げる道具である。今はデジタルカメラスマホカメラが主流なので作れないが、フィルムケースとストローを組み合わせ、吸い上げた蟻が口に入らない仕組みになっていた。

アリクイさながら地面に這いつくばって蟻を吸っていると、とんでもなくワクワクしたものだ。

夏休みよく遊んだイトコは、野草を何でも食べてみる人間だったので、口に入れるのが好きな血が流れているのかもしれない。ある日子どもたちで野草を食べて、顔中むらさき色の汁まみれになっていると、通りかかった祖母は驚いて声をあげた。

「それは毒!」

しかしこうして無事に生きているのだし、若い頃は野鳥でもなんでも取って食ったという祖父の丈夫な胃が、たぶん受け継がれていたのであろう。

 

・窓際にコケを植えていく

覚醒してから思ったが、日当たりのいいところにコケを育てるのは難しいのではないだろうか。苔玉もいつも湿らせないといけないというし……。

コケでもキノコでもいいのだが、発光するのを今年こそ見たい、と思って幾年が過ぎた。富士山麓の洞穴で、見ることができるという。

富士の洞穴といえば、小中学の頃に見に行ったことがある。風穴は記憶にないので見ていないかもしれないが、氷穴はワクワクする地底空間であった。とびきり寒く、懐中電灯に照らされて大きな氷塊がひしめいていた。

夏くらいになったら、また行って見たいものである。